• 献本

わかりやすい生化学

978-4-7827-0497-4 C3077 / 2005年4月刊行
十文字学園女子大学名誉教授 林 寛 [編著]
東北生活文化大学教授 鈴木裕行・前山梨学院短期大学教授 志田万里子
横浜薬科大学名誉教授 伊藤順子・山梨大学 王賀理惠 [共著]
B5・並製・2色刷・204頁/ 定価 2,640円( 本体 2,400円)
栄養素と体成分の代謝の相関関係やその動態の把握を目的として,その基礎となる人体の構造,生体物質の化学と機能について分子生物学を導入しながら,わかりやすく記述。ただ説明するのではなく,構造式や化学式を用いて,初学者が具体的に理解できるよう配慮した。
主な内容
  1. 人体の構造
  2. タンパク質の化学
  3. 酵素
  4. 炭水化物と脂質の化学
  5. 生体エネルギーの生成と利用
  6. 糖質の代謝
  7. 脂質の代謝
  8. タンパク質とアミノ酸の代謝
  9. 情報高分子の構造と機能
  10. 個体の調節機能と恒常性
目次(詳細)

1 人体の構造
 1-1 人体の構成
   (1)人体の構造原理:階層構造
   (2)生命の最小単位細胞
     細胞は単独でも独立に増殖できる/細胞の発見と細胞説/細胞学から細胞生物学へ/原核生物と真核生物
   (3)細胞の種類
   (4)組織
     上皮組織/神経組織/筋肉組織(骨格筋/平滑筋/心筋)/結合組織
   (5)器官および器官系
 1-2 細胞の構造と機能
   (1)細胞の膜系
     細胞膜/細胞内膜系
   (2)非膜系
     細胞骨格/クロマチン/細胞質ゾル
 1-3 人体を構成する物質
   (1)人体の化学組成
     水/生体高分子(タンパク質/核酸/炭水化物/脂質)/重量比
   (2)人体を構成する主要元素
     安定な共有結合を形成するもの/単原子イオン/微量元素
 1-4 生化学分野で使われる細胞研究法
   (1)細胞の研究法の歴史
   (2)細胞小器官の超遠心分離・分画法
     遠心分離法/カラムクロマトグラフィー/ゲル電気泳動
2 タンパク質の化学
 2-1 アミノ酸
   (1)アミノ酸の種類と構造
   (2)アミノ酸の化学的性質
     両性電解質/等電点/アミノ酸の定性
   (3)ペプチド
     ペプチド結合/ペプチドの種類
 2-2 タンパク質
   (1)タンパク質の分類
   (2)タンパク質の構造決定
     タンパク質の精製/アミノ酸組成
   (3)タンパク質の高次構造
     一次構造/二次構造/三次構造/四次構造
   (4)タンパク質の性質
     タンパク質の一般的性質/タンパク質の変性と再生/酵素や抗体の特異的な働き
3 酵素
 3-1 酵素の特性
   (1)酵素反応
   (2)酵素の基質特異性
   (3)酵素反応の最適温度・最適pH
   (4)酵素活性と基質濃度
   (5)補因子
 3-2 酵素の分類と酵素反応
   (1)酵素の名称と分類
   (2)各酵素群の反応様式
   (3)アイソザイム
 3-3 酵素反応の阻害機構
   (1)競合阻害
   (2)非競合阻害
 3-4 酵素の代謝調節
   (1)律速酵素による代謝速度の調節
     アロステリック効果/化学修飾による調節
   (2)フィードバック調節
4 炭水化物と脂質の化学
 4-1 炭水化物
   (1)炭水化物の分類
   (2)糖質の一般的構造と化学的性質
     糖の鎖状構造(アルドースとケトース)/糖の環状構造(アノマー異性体/ピラノースとフラノース)
     /糖質の化学的性質/二糖の形成
   (3)単糖とその誘導体
    単糖(D-リボース/D-キシロース/D-グルコース/D-フルクトース/D-マンノース/D-ガラクトース)
    /単糖誘導体(アミノ酸/デオキシ糖/ウロン酸/糖アルコール/リン酸誘導体)
   (4)オリゴ糖
     マンノース/スクロース/ラクトース/トレハロース/糖タンパク質・糖脂質のオリゴ糖鎖
   (5)多糖
     デンプン/グリコーゲン/食物繊維(セルロース/ペクチン/コンニャクマンナン/キチン)
     /グルコサミノグルカン(ムコ多糖)
 4-2 脂質
   (1)脂質の分類
   (2)脂質の化学的性質
     脂質の一般的な性質/脂肪酸の性質
   (3)単純脂質
     アシルグリセロール(トリアシルグリセロール/ジアシルグリセロール/モノアシルグリセロール)
     /コレステロール
   (4)複合脂質
      リン脂質(ホスファチジン酸/3-ホスファチジルコリン/3-ホスファチジルエタノールアミン/
      3-ホスファチジルセリン/3-ホスファチジルイノシトール/リゾホスファチジルコリン/スフィンゴミエリン)
      /糖脂質(グリセロ糖脂質/スフィンゴ糖脂質)
   (5)誘導脂質
      脂肪酸(飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸)/イコサノイド(プロスタグランジン/トロンボキサン/ロイコトリエン)
      /ステロイド(コレステロール/胆汁酸/ステロイドホルモン)/リポタンパク質
5 生体エネルギーの生成と利用
 5-1 生体エネルギー
   (1)自由エネルギー
   (2)化学反応とエネルギー
 5-2 高エネルギーリン酸化合物の種類と役割
   (1)ATPの構造と役割
   (2)他の高エネルギー化合物
     GTP/UTP/ホスホクレアンチン/ホスホエタノールピルビン酸
 5-3 生体内の酸化還元と高エネルギー化合物の生成
   (1)生体内の酸化還元
   (2)電子伝達系と酸化的リン酸化
   (3)基質準位のリン酸化
 5-4 生体エネルギーの利用
   (1)筋収縮
   (2)物質合成
   (3)物質輸送
6 糖質の代謝
 6-1 体内にとり入れられた糖質の行方と糖質代謝の概要
   (1)体内にとり入れられた糖質の行方
   (2)糖質代謝の概要
 6-2 グルコースの代謝
   (1)解糖
     解糖の過程/解糖と筋肉活動
   (2)ピルビン酸のアセチルCoAへの酸化的脱炭酸
   (3)アセチルCoAのTCAサイクルでの分解
   (4)グルコースの完全酸化によるATP産生の収支
     解糖でのATP産生/TCAサイクルでのATP産生/基質レベルのリン酸化
   (5)ペントースリン酸側路によるペントースとNADPH+H+の生成
   (6)グルクロン酸経路
 6-3 糖の相互変換と糖新生
   (1)単糖の相互変換
     フルクトース/ガラクトース/マンノース
   (2)血糖の調節
   (3)糖新生
     ピルビン酸からグルコースへの転換/糖新生の材料
   (4)グルコースよりラクトースの生合成
   (5)グリコーゲンの代謝
     グリコーゲンの分解/グリコーゲンの合成/グリコーゲン代謝の制御
 6-4 糖質代謝の異常と疾病
   (1)ラクトース不耐症
   (2)ガラクトース血症
   (3)糖尿病
   (4)糖原病
7 脂質の代謝
 7-1 脂質代謝の概要
 7-2 トリアシルグリセロールの代謝
   (1)グリセロールの酸化
   (2)脂肪酸の酸化
     脂肪酸の活性化/活性化された脂肪酸のミトコンドリア内への輸送/脂肪酸のβ酸化/不飽和脂肪酸の酸化
   (3)脂肪酸の代謝異常によるケトン体の生成
   (4)脂肪酸の生合成
     ミトコンドリアから細胞質ゾルへのアセチルCoAの輸送/アセチルCoAのカルボキシ化
     /飽和脂肪酸合成の段階的反応/飽和脂肪酸鎖長の伸長
   (5)飽和脂肪酸の不飽和化
    一価不飽和脂肪酸の生成/多価不飽和脂肪酸の生成
   (6)イコサノイドの生合成と代謝
   (7)トリアシルグリセロールの生合成
   (8)レプチンの代謝調節作用
 7-3 グリセロリン脂質の生合成およびコレステロールの代謝
   (1)リン脂質の生合成
   (2)コレステロールの生合成と分解
     コレステロールの合成/コレステロールの分解
 7-4 脂質代謝の異常と疾病
   (1)高脂血症
     家族性高脂血症/無β-リポタンパク質血症/無α-リポタンパク質血症
   (2)脂質蓄積症
     スフィンゴ脂質蓄積症(Gaucher病/Faber病/Niemann-Pick病/Krabbe病/異染性脳白質ジストロフィー
     /Fabry病/Tay-Sachs病)/他のスフィンゴ脂質蓄積症(Refsum病/Wolman病)
8 タンパク質とアミノ酸の代謝
 8-1 タンパク質代謝の概要
 8-2 アミノ酸の窒素部分の代謝
   (1)アミノ酸転移
   (2)アンモニアの生成
   (3)尿素サイクル
 8-3 アミノ酸の炭素骨格の代謝
   (1)糖原性アミノ酸
   (2)ケト原性アミノ酸
 8-4 非必須アミノ酸の生合成
   (1)アラニン・アスパラギン酸・アスパラギン・グルタミン酸・グルタミンの生合成
   (2)セリン・グリシン・システインの生合成
   (3)プロリン・アルギニンの生合成
   (4)チロシンの生合成
 8-5 アミノ酸から生成される生理的に重要な物質
   (1)ペプチドホルモン
     下垂体前葉ホルモン/下垂体後葉ホルモン/甲状腺ホルモン/膵臓ホルモン/消化管ホルモン
   (2)ビタミンB群
     ナイアシン/葉酸/パントテン酸
 8-6 アミノ酸代謝の異常と疾病
   (1)フェニルケトン尿症
   (2)ヒスチジン血症
   (3)ホモシステイン尿症
   (4)メープルシロップ尿症
9 情報高分子の構造と機能
 9-1 遺伝子および染色体の構造と機能
   (1)遺伝子
   (2)染色体
 9-2 核酸の構造
   (1)核酸の構成成分と種類
   (2)ヌクレオシド
   (3)ヌクレオチド
   (4)DNAの構造
   (5)RNAの構造
     mRNA/tRNA/rRNA
 9-3 ヌクレオチドの代謝
   (1)プリンヌクレオチドの代謝
   (2)ピリミジンヌクレオチドの代謝
 9-4 タンパク質の生合成
   (1)DNAの複製
   (2)mRNAの生成
   (3)遺伝暗号
   (4)tRNAの働き
   (5)リボソームにおけるタンパク質の生合成
 9-5 遺伝子発現の調節と遺伝子操作
   (1)遺伝子発現の調節
   (2)遺伝子操作
10 個体の調節機能と恒常性
 10-1 生体における細胞間の情報伝達
 10-2 神経系による情報伝達
   (1)活動電位と興奮の伝導
   (2)シナプス伝達
 10-3 内分泌系による情報伝達
   (1)ホルモンの種類と性質
   (2)ホルモンの標的細胞での作用機構
     受容体が細胞膜にあるタイプ/受容体が細胞内にあるタイプ
 10-4 生体内の恒常性の維持
   (1)フィードバック機構による調節
   (2)体液中の電解質のバランスと酸塩基平衡
     細胞外液量と浸透圧の維持/特定の電解質濃度の調節/pHの維持(炭酸緩衝系/
     血漿タンパク質緩衝系/ヘモグロビン緩衝系/リン酸緩衝系)/血糖値の維持
   (3)体温の恒常性の維持
 10-5 免疫と生体防御
   (1)免疫系の概要(物理的防御因子・液性因子・細胞性因子)
   (2)免疫担当細胞の種類と機能
     リンパ球系細胞(T細胞/B細胞/ナチュラルキラー細胞)/
     骨髄細胞系細胞(白血球および血小板)(単核貪食細胞系細胞/顆粒球と肥満細胞/血小板)
   (3)抗体の種類と特徴
     抗体(免疫グロブリン)の種類/免疫グロブリンの構造/抗体の産生/抗体とT細胞受容体の多様性
   (4)アレルギーと自己免疫疾患
     アレルギーの分類とその特徴(Ⅰ型アレルギー/Ⅱ型アレルギー/Ⅲ型アレルギー/Ⅳ型アレルギー)
     /自己免疫疾患
   (5)活性酸素に対する防御機能
     活性酸素とは/活性酸素の生成/活性酸素による障害/活性酸素に対する生体防御(スーパーオキシドジスムターゼ
     /グルタチオンペルオキシダーゼ)
   (6)化学物質に対するP450の作用
     P450の機能/P450の功罪
参考文献
索引

備 考

2022年10月、重版8刷。

三共出版で購入?

部数:

更新: 2025年9月30日
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