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錯体の溶液化学

錯体化学会選書8
978-4-7827-0641-1 C3043 /2012年5月刊行
横浜市立大学名誉教授 横山晴彦・佐賀大学名誉教授 田端正明 [編著]
飯田雅康・井内 哲・石黒慎一・石原浩二・稲田康宏・稲毛正彦・梅木辰也 梅林泰宏・小谷 明・海崎純男・金久保光央・君塚信夫・栗崎 敏・佐藤啓文 澤田 清・篠﨑一英・田浦俊明・高木秀夫・立屋敷哲・福田 豊・藤原照文 山口敏男・脇田久伸・渡辺 巌 [共著]
A5・上製・380頁/定価 5,060円(本体4,600円)
本書は溶媒の性質・構造・相互作用と役割, 錯体や金属イオンの溶存状態と溶存構造, 錯体が関与する反応・平衡・相互作用, 測定法等についての基礎的事項から最先端課題・境界領域課題まで解説。錯体の溶液化学を総合的・総括的に取り上げた。

錯体CD
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内 容

  • 溶媒の性質と構造
  • 金属イオンの溶媒和
  • 金属イオンと溶質間の相互作用
  • 金属錯体の溶液内諸反応
  • 金属錯体の溶液内相互作用
  • 測定法と解析法および計算化学
  • 特殊環境下の溶液錯体化学
  • 溶液錯体化学と他分野の接点
  • 溶液錯体化学の将来展望
目次

1章 溶媒の性質と構造
 はじめに
 1-1 溶媒の性質
  1-1-1 溶媒の物性・特性
  1-1-2 溶媒の種類
  1-1-3 水の特性と異常性
  1-1-4 イオン液体
  1-1-5 溶媒パラメータ
  1-1-6 溶媒パラメータの具体例
 1-2 溶媒の構造
  1-2-1 水
  1-2-2 アルコールおよびアルコール-水混合溶媒
  1-2-3 アミド系溶媒
  1-2-4 非プロトン性極性溶媒
  1-2-5 低極性溶媒
  1-2-6 イオン液体

2章 金属イオンの溶媒和
 はじめに
 2-1 金属イオンの溶媒和と溶媒和エネルギー
  2-1-1 溶媒和エネルギーと溶解度
  2-1-2 溶媒のドナー・アクセプター性
  2-1-3 錯形成反応の溶媒効果
  2-1-4 溶媒交換速度
  2-1-5 錯形成反応と溶媒の液体構造
 2-2 金属イオンの選択的溶媒和
  2-2-1 選択的溶媒和の測定法
  2-2-2 選択的溶媒和の熱力学
  2-2-3 錯形成反応と選択的溶媒和
 2-3 金属イオンの水和構造
  2-3-1 イオンの水和の熱力学
  2-3-2 イオン周辺の水構造の変化と水和モデル
  2-3-3 X線回折法等から解明された金属イオンの水和構造
 2-4 非水溶媒・混合溶媒中の金属イオンの溶媒和構造
  2-4-1 結合長変化則
  2-4-2 配位子円錐角
  2-4-3 Hammett則と立体因子
  2-4-4 非水溶媒中の金属イオンの溶媒和構造
  2-4-5 混合溶媒中の金属イオンの溶媒和構造

3章 金属イオンと溶質間の相互作用
 はじめに
 3-1 イオン間相互作用と活量係数
 3-2 イオン会合とイオン会合定数
  3-2-1 イオン会合の理論と概念
  3-2-2 外圏イオン対と内圏イオン対
 3-3 錯体形成の安定度
  3-3-1 安定度を支配する要因
  3-3-2 混合配位子錯体の安定度定数

4章 金属錯体の溶液内諸反応
 はじめに
 4-1 錯体の溶液内反応全体を通して
 4-2 錯形成反応
  4-2-1 アクア金属イオン (Mn+) とヒドロキソ金属イオン (MOH(n-1)+) の錯形成反応
  4-2-2 二座配位子との錯形成反応
  4-2-3 ポルフィリンの錯形成反応
 4-3 配位子置換反応
  4-3-1 配位子置換反応の機構
  4-3-2 溶媒交換反応
  4-3-3 配位子置換反応の機構と反応速度式
 4-4 電子移動反応
  4-4-1 溶液内で起こる電子移動反応の種類
  4-4-2 Marcus-Hush理論とその半古典的拡張
  4-4-3 二状態理論と逆転領域
  4-4-4 交差関係

5章 金属錯体の溶液内相互作用
 はじめに
 5-1 金属錯体の溶媒和・イオン会合と第二配位圏の構造
  5-1-1 金属錯体の溶媒和
  5-1-2 金属錯体のイオン会合
  5-1-3 金属錯体の第二配位圏の構造
 5-2 金属錯体の立体・光学選択的相互作用
  5-2-1 イオン会合における立体・光学選択性
  5-2-2 電子移動反応における立体選択性
  5-2-3 タンパク質と金属錯体
  5-2-4 DNAと金属錯体
 5-3 金属錯体の疎水性相互作用
  5-3-1 疎水性水和と疎水性相互作用
  5-3-2 無極性キレート錯体の疎水性
  5-3-3 疎水性キレート錯イオンの疎水性相互作用
  5-3-4 疎水性相互作用によるキレート錯体の光学分割
 5-4 金属錯体の自己集合―ミセル・液晶などの超分子形成
  5-4-1 溶液内の自己集合に関するいくつかの一般的な概念と規則
  5-4-2 金属錯体の溶液内自己集合の特徴的な例
 5-5 金属錯体のソルバトクロミズム
  5-5-1 錯体の色と溶媒
  5-5-2 クロモトロピズム
  5-5-3 ソルバトクロミズム各論

6章 測定法と解析法および計算化学
 はじめに
 6-1 X線を用いた溶存錯体の構造解析
  6-1-1 溶液X線回折法
  6-1-2 X線吸収微細構造 (XAFS) とその解析法
  6-1-3 おわりに
 6-2 熱力学測定
  6-2-1 錯形成反応の定量的解析の基礎
  6-2-2 電位差滴定
  6-2-3 分光測定
  6-2-4 熱測定
  6-2-5 電気伝導度測定
  6-2-6 溶媒抽出
 6-3 迅速反応測定
  6-3-1 迅速混合法
  6-3-2 化学緩和法
  6-3-3 NMR法
 6-4 計算化学によるアプローチ
  6-4-1 量子化学の方法
  6-4-2 分子シミュレーション法と統計力学
  6-4-3 溶液内の錯体分子を扱うための方法論
  6-4-4 より進んだ理論と実際の計算事例

7章 特殊環境下の溶液錯体化学
 はじめに
 7-1 超臨界流体中における金属錯体の挙動
 7-2 金属錯体の反応と平衡に対する圧力効果
  7-2-1 反応体積と活性化体積
  7-2-2 反応体積と活性化体積のデータ
  7-2-3 溶液内反応の体積変化
 7-3 イオン液体中における金属錯体の反応と錯形成
  7-3-1 反応溶媒としてのイオン液体
  7-3-2 金属錯体をアニオンとする非プロトン性イオン液体 (AIL)
  7-3-3 金属錯体をカチオンとするイオン液体
 7-4 光励起状態における金属錯体の溶媒和と反応性
  7-4-1 電子の局在化
  7-4-2 励起状態での酸塩基平衡 (25℃水溶液)
  7-4-3 発光消光機構 (25℃水溶液)
  7-4-4 酸化的・還元的消光およびエネルギー移動消光 (25℃水溶液)
  7-4-5 プロトン移動消光 (25℃水溶液)
 7-5 反応中間体・短寿命種の構造
  7-5-1 時間分解XAFS法
  7-5-2 反応中間体: ヘテロ2核ポルフィリンの構造
  7-5-3 反応中間体: ペルオキソクロム化学種の構造
  7-5-4 超高速時間分解XAFS法
 7-6 溶液界面の錯体化学
  7-6-1 溶液界面
  7-6-2 溶液界面のイオン濃度
  7-6-3 NaClなどの単純な無機塩の界面濃度
  7-6-4 ハロゲン化物イオンの表面吸着
  7-6-5 ハロゲン化物イオン表面吸着の実験的証拠
  7-6-6 界面活性イオンの表面濃度定量
  7-6-7 陰イオンのHofmeister序列
  7-6-8 溶液表面の金属錯体

8章 溶液錯体化学と他分野の接点
 はじめに
 8-1 錯体合成化学と溶液錯体化学の接点
  8-1-1 置換活性錯体の合成と錯形成平衡
  8-1-2 置換不活性錯体の合成と錯形成反応
 8-2 超分子化学と溶液錯体化学の接点
  8-2-1 水中おける金属錯体の自己組織化
  8-2-2 有機媒体中おける金属錯体の自己組織化-超分子錯体と溶媒効果
  8-2-3 金属錯体ナノ粒子の化学
  8-2-4 今後の展望
 8-3 生物無機化学と溶液錯体化学の接点
  8-3-1 物質認識に重要な弱い相互作用の研究
  8-3-2 血液中の平衡系に関する研究
  8-3-3 反応中間体の研究
  8-3-4 核酸-カチオン相互作用
 8-4 分析化学と溶液錯体化学の接点
  8-4-1 分析化学と錯体化学
  8-4-2 イオン・分子認識と分析化学
  8-4-3 分子認識の最前線
  8-4-4 分離化学

9章 溶液錯体化学の将来展望
 はじめに
 9-1 溶液錯体化学のこれまでと今後への期待
 9-2 専門分野から見た将来展望と今後への期待
  9-2-1 複雑な錯体化学反応に対して溶液錯体化学の手法がどこまで迫れるか
  9-2-2 溶液内錯体の理論・計算-現状と展望
  9-2-3 極端条件下の溶液錯体化学
  9-2-4 イオン液体と錯体化学
  9-2-5 組織体溶液と溶液錯体化学
  9-2-6 生命科学に対する溶液錯体化学の寄与

備 考

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部数:

更新: 2022年11月22日
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