結晶化学への招待
978-4-7827-0730-2 C3043
宮前 博
城西大学教授 宮前 博 著
B5・並製・149頁/定価 2,750円(本体2,500円)
結晶がX線と相互作用することによりどのように原子配列が求まるのか。歴史と合わせ紹介する。
目 次
1 結晶とは
1-1 はじめに
1-2 結晶に見られる規則的構造
1-3 周期性の現れない敷き詰め構造
1-4 2次元周期配列に許される回転対称
2 結晶の対称性Ⅰ-32の晶族(点群)
2-1 結晶内で許される回転対称
2-2 反転を含む対称
2-2-1 反転対称
2-2-2 投影表示
2-2-3 鏡映対称,その他
2-3 対称要素の組み合わせ
2-3-1 主軸と垂直な2回軸の組み合わせ
2-3-2 主軸と鏡映面の組み合わせ
2-3-3 互いに交わる鏡映面
2-3-4 立方体の対称性
2-4 32の結晶系(晶族)
2-4-1 晶族の小分類
2-4-2 対称性の有無による分類
2-4-3 対称性の高低による分類
2-5 点 群
3 結晶の対称性Ⅱ-7つの結晶系・14のブラベ格子
3-1 結晶系
3-1-1 対称性に由来する結晶軸の取り方
3-2 周期構造とa,b,c軸の選び方
3-2-1 並進成分の選択法
3-2-2 複合格子の選択
3-3 14のブラベ格子
3-3-1 7つの結晶系と14のブラベ格子
4 結晶の対称性Ⅲ-並進操作を含む対称要素,空間群
4-1 映進面
4-4-1 映進方向と表示記号
4-2 らせん軸
4-2-1 回転軸との組み合わせで生じるらせん軸
4-2-2 らせん軸の表示法
4-3 空間群
5 X 線
5-1 X線の発見
5-2 X線の発生
5-2-1 X線管球
5-2-2 加速電圧と発生するX線の強度
5-2-3 特性X線とモーズレーの法則
5-2-4 放射光
5-3 X線の検出法
6 人類初のX線結晶構造解析
-NaCLとKCLの結晶構造の決定とミラー指数
6-1 LaueとEwaldの出会い
6-1-1 人類初の回析実験
6-2 Bragg親子の登場
6-2-1 NaCIとKCLの回析像についての予備知識
6-3 有理指数の法則とミラー指数
6-3-1 直交軸系の格子での面間隔の計算法
6-4 単結晶を利用した回析パターンの測定
6-4-1 ブラッグの式と測定装置
6-4-2 回析斑点の解釈
6-4-3 鉱物学者の考えていた結晶構造
6-4-4 ブラッグの解釈
6-4-5 KCL構造の解釈
6-5 結晶の密度とX線の波長
6-6 まとめ
7 波の表現-波動運動の複素数による表現とオイラーの公式
7-1 波
7-2 複素数と複素表面
7-2-1 複素数表示の便利なところ
7-2-2 共役複素数
7-3 フーリエ級数
7-3-1 フーリエ変換
7-4 フーリエ級数展開
7-5 フーリエ係数の決定
7-6 フーリエ変換の表現
7-6-1 複素フーリエ級数の便利なところ
7-6-2 たたみこみ
7-7 フーリエ合成
8 結晶とX線の相互作用-回析理論
8-1 横波の回析と干渉
8-1-1 2つの波源からの波の干渉
8-1-2 1つの波源からの波が二重スリットを通って起こす干渉
8-2 Coherentな波
8-2-1 回析格子の配列と回析模様
8-3 1次元格子による散乱
8-3-1 回析条件
8-3-2 より一般的な回析条件
8-3-3 3次元格子からの回析
8-4 h,k,lの意味
8-4-1 ベクトルの積
8-4-2 スカラー三重積
8-4-3 結晶内の平面を考察する
8-4-4 h,k,lの意味のまとめと逆格子ベクトル
9 構造因子-電子密度と回析強度および消滅則
9-1 X線を散乱するもの
9-2 原子錯乱因子(原子という窓からの散乱)
9-2-1 原子散乱因子とは
9-2-2 電子数の等しい原子・イオンの散乱因子
9-3 回析強度と構造因子
9-3-1 構造因子
9-3-2 構造因子の性質
9-3-3 複合格子の消滅則
10 X線回析実験-データ測定・空間群の決定・データの評価
10-1 実験に用いる回析条件
10-1-1 ブラッグの条件という表現
10-1-2 エワルドの条件という表現
10-1-3 限界球
10-2 逆格子の配列と回析図形
10-3 回析データの収集
10-3-1 結晶を選んで回析装置にセットする
10-3-2 予備測定の後,自動で測定する
10-3-3 補正のためのデータを収得しておく
10-4 結晶構造を解く
10-4-1 空間群の決定
10-4-2 構造を解く
10-4-3 F(000)の意味
10-5 構造決定の例(構造因子の意味)
10-5-1 1次元データで見るフーリエ合成
10-5-2 2次元データ
11 X線構造解析の実際
-思わぬハプニング・低温実験でのトラブル
11-1 通常は結晶をキチンと選べばトラブルは起きない
11-1-1 グラニュー糖の構造解析
11-1-2 トラブル
11-2 補 正
11-2-1 ローレンツ因子と偏光因子
11-2-2 吸収補正
11-3 結晶格子が教える組成情報と実例
12 X線以外の波動を利用した回析
-電子線と中性子線についてちょっとだけ
12-1 X線との比較
12-2 波 長
12-3 電子線回析
12-4 中性子線回析
12-4-1 散乱因子
12-4-2 核スピン
12-5 X線の粉末回析データの利用
12-5-1 リートフェルト解析
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