• 献本

ライフサイエンス系の基礎物理化学

978-4-7827-0331-1 C3043 /1995年10月刊行
早川勝光・白浜啓四郎・井上 亨 [共著]
鹿児島大学名誉教授 早川勝光
佐賀大学名誉教授 白浜啓四郎
福岡大学教授 井上 亨 [共著]
B5・並製・228頁/定価 3,190円(本体2,900円)
生物系の学生が興味を持つ生物自身を教材にして,物理・化学の考え方を身につけ,それをもとにしてより複雑な生物現象を観る力を養う方法をとった。すなわち,本書ではまず生命現象に注目しつつ,それを説明する道具としての物理化学の原理を平易に説く方針で編集。
目 次

第1部 生物を構成する分子
 第1章 生体を構成する分子
  1.1 はじめに
  1.2 アミノ酸とタンパク質
   1.2.1 α-アミノ酸の化学構造
   1.2.2 α-アミノ酸の種類
   1.2.3 タンパク質
  1.3 糖質
   1.3.1 単糖類の構造
   1.3.2 オリゴ糖
   1.3.3 多糖
  1.4 核酸
  1.5 脂質
   1.5.1 脂肪酸
   1.5.2 グリセロ脂質
   1.5.3 その他の脂質
  1.6 重要な低分子とイオン

 第2章 化学結合と分子の構造
  2.1 はじめに
  2.2 原子の構造
   2.2.1 原子の中の電子
   2.2.2 原子オービタル
   2.2.3 電子配置と周期律
   2.2.4 原子スペクトル
   2.2.5 イオン化エネルギーと電子親和力
  2.3 化学結合と分子の立体構造
   2.3.1 イオン結合
   2.3.2 共有結合
   2.3.3 簡単な分子の立体構造
   2.3.4 アミノ酸の立体構造——光学異性
   2.3.5 脂肪酸の分子構造——炭化水素錯のコンホメーション
   2.3.6 糖の分子構造——環状分子のコンホメーッション
   2.3.7 多重結合
  2.4 結合の極性と分子の極性
   2.4.1 原子の電気陰性度と結合の極性
   2.4.2 双極子モーメント
   2.4.3 分子の立体構造と極性

 第3章 水と水溶液
  3.1 はじめに
  3.2 分子間相互作用
   3.2.1 静電相互作用
   3.2.2 Van der Waals力
   3.2.3 水素結合
   3.2.4 疎水性相互作用
  3.3 水の特異性
   3.3.1 水の状態図
   3.3.2 水の構造
   3.3.3 ふたたび疎水性相互作用について
  3.4 水溶液と水和
  3.5 タンパク質の立体構造
   3.5.1 ペプチド結合の特徴
   3.5.2 β構造
   3.5.3 α-へリックス
   3.5.4 タンパク質の三次構造
   3.5.5 タンパク質の変性

第2部 生物のエネルギー
 第4章 生体反応のエネルギー
  4.1 はじめに
  4.2 反応による熱の出入り
  4.3 エネルギーの保存:熱力学第一法則
   4.3.1 体積変化に伴う仕事
   4.3.2 モル数の変化の伴うエネルギーの増分
   4.3.3 熱エネルギー
  4.4 圧力一定のもとでの変化
  4.5 熱容量
   4.5.1 理想気体の熱容量
   4.5.2 分子の運動モードとエネルギー均分則
  4.6 生物系におけるエネルギーの獲得

 第5章 エントロピー増大則と生物の構造形成
  5.1 はじめに
  5.2 エントロピーと変化の方向
  5.3 エントロピーとは?
  5.4 いろいろなエネルギー
  5.5 自由エネルギー最小の原理
  5.6 平衡系における熱力学関係式
  5.7 生物系における秩序形成

 第6章 化学平衡
  6.1 はじめに
  6.2 2つの系の熱平衡条件
  6.3 溶液の化学ポテンシャル
   6.3.1 溶液の熱力学
   6.3.2 標準化学ポテンシャル
  6.4 拡散と浸透圧
   6.4.1 拡散
   6.4.2 浸透圧
  6.5 水の電離平衡
  6.6 酸と塩基
   6.6.1 酸と塩基の定義
   6.6.2 酸解離平衡
  6.7 緩衝溶液
  6.8 アミノ酸の酸解離平衡
  6.9 平衡定数と自由エネルギー

第7章 生物と協同現象
  7.1 はじめに
  7.2 ヘモグロビンによる酸素の協同吸着
  7.3 タンパク質による基質の結合(非協同結合)
  7.4 タンパク質による基質の協同結合
  7.5 変性とコンホメーション変化
  7.6 界面活性剤のミセル形成
  7.7 タンパク質の自己集合
  7.8 細胞における協同現象
  7.9 生態系
   7.9.1 相互作用のない場合
   7.9.2 競り合いのある場合
   7.9.3 自家中毒のある場合

 第8章 物質輸送
  8.1 はじめに
  8.2 生物系の熱力学—不可逆過程の熱力学
  8.3 拡散速度
  8.4 気体の分子運動
  8.5 拡散
  8.6 膜透過
   8.6.1 膜の形成
   8.6.2 物質の膜透過
   8.6.3 能動輸送
  8.7 粘性と弾性

 第9章 生体反応の速さ
  9.1 はじめに
  9.2 反応速度の表し方
  9.3 反応速度に影響する因子
   9.3.1 濃度
   9.3.2 温度
  9.4 反応速度式
   9.4.1 一次反応
   9.4.2 二次反応
  9.5 複合反応
   9.5.1 反応次数と反応の分子数
   9.5.2 可逆反応
   9.5.3 連続反応
  9.6 酵素の反応機構
  9.7 酵素反応速度式
   9.7.1 ミカエリス‐メンテンの反応機構
   9.7.2 定常状態近似
   9.7.3 予備平衡近似
   9.7.4 実測データの解析
  9.8 緩和法による反応速度の研究

第3部 生物と情報
 第10章 生物の情報処理
  10.1 はじめに
  10.2 拡散と遺伝情報
   10.2.1 DNAの持っている情報量
   10.2.2 情報とエントロピー
   10.2.3 らせん構造は便利
   10.2.4 二重らせんと情報のコピー
   10.2.5 核酸とタンパク質合成
   10.2.6 三文字のアルファベット
  10.2 生体情報と電気信号
   10.2.1 生体膜と電気信号
   10.2.2 能動輸送の熱力学
   10.2.3 生体のデジタル信号
   10.2.4 化学と電気の連携プレー
   10.2.5 情報のフィールドバック制御

 第11章 電気化学の基礎
  11.1 分子溶解とイオン溶解
  11.2 電解質溶液の基本的性質
   11.2.1 イオン電気伝導
   11.2.2 イオンの個性
   11.2.3 輸率
   11.2.4 温度の効果
   11.2.5 電解質溶液の熱力学的表現
   11.2.6 高分子電解質
  11.3 起電力
   11.3.1 膜電位
   11.3.2 非理想的透過膜の起電力
   11.3.3 水素イオン電極(pH電極,ガラス電極)
   11.3.4 銀・塩化銀参照電極
   11.3.5 金属イオン電極
   11.3.6 半電池と半反応
   11.3.7 生体内の酸化還元反応
   11.3.8 平均活量係数の測定
   11.3.9 センサ,イオン選択電極
   11.3.10 電気分解
   11.3.11 電気泳動

三共出版で購入?

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更新: 2023年1月26日
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