• 献本

化学結合の量子論入門

978-4-7827-0302-1 C3043 /1994年1月刊行
北海道大学名誉教授 小笠原正明
北海道大学助教 田地川浩人 共著
A5・並製・198頁/定価 2,420円(本体2,200円)
量子力学や化学結合論の考え方を,できるだけ数式を使わず,言葉とイメージで理解させるよう記述した。次のような工夫をしている。
1)本文ではできるだけ数式を使わず,その代りに付録で式の導出を行った。
2)それぞれの式の前後関係は,なるべくそのページの中で理解できるよう,一度前に出てきた式でも必要に応じて掲載した。
3)図と図に関係した本文はなるべく近づけるようにした。数式の場合と同様前のページにもどる必要がないよう,同じ図でも必要があれば掲載した。
大学初年用の教科書,副読本として最適な書。
目次

第1章 量子力学の基礎
 電荷を持った粒子の集団
 古典力学とは何か?
 古典力学で水素原子を解く
 電子には波の性質がある!
 対応関係と演算子変換—理由はよくわからないが
 固有方程式の作り方
 波動物質とは何か
 電子の位置が決まらない
 平均値の求め方
 箱の中に閉じ込められた粒子

第2章 原子の状態とエネルギー
 水素原子の量子力学
 状態とエネルギー
 電子の数が増えるとどうなるか
 パウリの法則
 しゃへい効果
 フントの規則
 多電子原子のイオン化エネルギー

第3章 原子軌道から分子軌道へ
 ヘリウム原子のシュレーディンガー方程式
 変分法の考え方
 ヘリウム原子への応用
 一番シンプルな分子—水素分子イオン
 水素分子イオンの分子軌道計算
 水素分子の化学結合
 極性を持つ分子の化学結合

第4章 紙と鉛筆による分子軌道法
 軌道間の相互作用
 軌道相互作用の基本ルール
 分子軌道を組み立てる
 窒素分子の分子軌道
 もう少し複雑な分子への応用
 カルボニル基の混成軌道
 イオン化による分子の変形
 電子遷移と吸収スペクトル

第5章 共役分子の電子状態
 ヒュッケル近似
 エチレンのπ軌道
 アリルラジカルとそのイオン
 原子上のπ電子密度
 結合の強さ

第6章 錯体の化学結合
 一方的に電子対を提供する配位結合
 遷移金属のd軌道
 原子価結合理論による解釈
 結晶場理論—高スピン,低スピンはどのようにして決まるのか
 分子軌道法ではどうなるのか?
 錯体構造の歪み—ヤーンテラー効果
 金属錯体のスペクトル

第7章 バンド理論
 ポリマー錯の分子軌道
 バンドギャップと電気伝導度
 固体中の自由電子モデル
 結晶中の電子の運動

第8章 化学反応
 フロンティア軌道理論
 ウッドワード—ホフマン則
 ディールス—アルダー反応

三共出版で購入?

部数:

更新: 2022年10月11日
シェア: facebookでシェア はてなブックマークに追加 LINEでシェア noteで書く X(Twitter)にポスト メールで送る このページを印刷する シェアする