超分子金属錯体
978-4-7827-0608-4 C3043
藤田 誠・塩谷光彦 編著
東京大学大学院教授 藤田 誠・東京大学大学院教授 塩谷光彦 編著 安部 聡・岩澤康裕・上野隆史・内田さやか・大木靖弘・大越慎一・大塩寛紀 金井塚勝彦・河野正規・北川 進・北川 宏・君塚信夫・久米昌子・志賀拓也 唯 美津木・巽 和行・田中健太郎・田中大輔・築部 浩・鍋島達弥・西原 寛 芳賀正明・平岡秀一・藤田典史・堀 顕子・増田秀樹・水野哲孝・村瀬隆史 村橋哲郎・吉沢道人・渡辺芳人 共著
A5・上製・428頁/定価 5,390円(本体4,900円)
錯体化学の視点から「超分子金属錯体」に関する基礎と応用を解説した。 有限系と無限系における実際の超分子金属錯体の合成例や,機能の創出例を最新のトピックスを交えながら紹介。さらに,新たな方向性として表面化学への展開を概観する。
1章 超分子金属錯体の基礎
1-1 分子認識と超分子金属錯体
はじめに
1-1-1 超分子金属錯体が目指すもの
1-1-2 遷移金属錯体を基礎とする超分子金属錯体
1-1-3 希土類錯体を基礎とする超分子金属錯体
1-1-4 巨大配位子を用いる超分子金属錯体
1-1-5 動的構造変換を実現する超分子金属錯体
1-1-6 高次触媒機能を発現する超分子金属錯体
1-1-7 おわりに
1-2 超分子金属錯体
はじめに
1-2-1 超分子とは
1-2-2 超分子金属錯体の建築法と機能
1-3 超分子自己集合
1-3-1 ものづくりと自己集合
1-3-2 自己集合のしくみ
1-3-3 自己集合と配位結合
1-3-4 自己集合とナノテクノロジー
1-3-5 超分子金属錯体(先駆的な例)
1-3-6 水素結合による超分子自己集合
1-4 配位結合の特徴
はじめに
1-4-1 錯体の構造
1-4-2 配位結合の説明およびその性質
1-4-3 錯体の安全性
1-4-4 錯体の反応性
1-4-5 特殊な結合
1-5 超分子金属錯体の配位子設計
1-5-1 構造情報を内包する配位子の設計と金属イオンの選択
1-5-2 窒素配位子を用いた超分子金属錯体の分子設計
1-5-3 酸素配位子を用いた超分子金属錯体の分子設計
1-5-4 炭素配位子を用いた超分子金属錯体の分子設計
1-5-5 ハイブリッド型配位子などを用いた超分子金属錯体の分子設計
1-5-6 生体機能関連配位子を用いた超分子金属錯体の分子設計
1-6 超分子金属錯体の機能設計
1-6-1 超分子金属錯体のユニットと配列
1-6-2 レドックス応答性
1-6-3 超分子構造中での磁気特性変換
2章 有限構造の超分子金属錯体
2-1 配位結合性ホスト化合物
はじめに
2-1-1 多面体型ホスト化合物の合成
2-1-2 動的ホスト化合物
2-1-3 配位結合性ホスト内での特異反応
2-1-4 配位結合性ホスト内での特異物性誘起
2-2 カテナン・ロタキサン
2-2-1 化学におけるトポロジー
2-2-2 カテナン合成の歴史
2-2-3 銅を鋳型としたカテナン
2-2-4 パラジウムを用いた自己集合性カテナン
2-2-5 ロタキサンの構造変換と機能
2-2-6 複雑なトポロジーへ
2-3 動的自己集合・分子機械
2-3-1 配位子交換,配位構造変化に基づく動的分子のデザイン
2-3-2 金属イオンの脱着に基づく構造変換
2-3-3 配位構造変化に基づく自己集合性動的錯体
2-3-4 金属錯体型分子機械
2-3-5 運動伝搬を担う分子素子
2-3-6 おわりに
2-4 DNAを用いた超分子金属錯体
2-4-1 分子組織化のテンプレートとしての生体高分子
2-4-2 DNAの構造と精密合成
2-4-3 DNA塩基対間へのインターカレーションを利用した
金属錯体の集積化
2-4-4 DNA超構造のジャンクション,ノードとしての金属錯体
2-4-5 核酸塩基の化学的修飾による金属錯体の集積化
2-4-6 金属配位結合を用いた塩基対形成と金属錯体の配列
プログラミング
2-4-7 おわりに
2-5 超分子タンパク質内部空間の金属イオン集積
はじめに
2-5-1 金属結合タンパク質
2-5-2 タンパク質孤立空間への金属イオン集積
2-5-3 おわりに
2-6 ポルフェリン集積
はじめに
2-6-1 エキソ配位子と金属イオンを用いた集積化
2-6-2 金属ポルフェリンを活用した集積化
2-6-3 酵素モデルを指向した集積化
2-6-4 おわりに
2-7 有機金属種の自己集積
はじめに
2-7-1 18電子則と金属カルボニルクラスターの形成
2-7-2 架橋性有機配位子を利用した金属クラスターの形成
2-7-3 おわりに
2-8 生命活動を担う金属クラスターとそのモデル錯体
はじめに
2-8-1 電子伝達に関わる鉄-硫黄クラスター
2-8-2 酵素活性中心として働く金属-硫黄クラスター
2-8-3 Photosystem2(光化学系2)のマンガンクラスター
2-9 分子磁石の自己集合
はじめに
2-9-1 分子磁石
2-9-2 分子設計
2-9-3 代表的な単分子磁石
2-9-4 単分子磁石の例
2-9-5 おわりに
3章 無限構造の超分子錯体
3-1 無限錯体による電子・プロトン移動
はじめに
3-1-1 固体プロトニクス
3-1-2 プロトン伝導
3-1-3 多孔性配位高分子
3-1-4 固体物性研究の立場から
3-1-5 プロトン共役酸化還元特性
3-1-6 ルベアン酸銅および誘導体の基礎物性
3-1-7 交換相互作用と電気伝導性との相関
3-1-8 プロトン伝導とその相対湿度(RH)依存性および置換基効果
3-1-9 おわりに
3-2 無限磁性錯体
はじめに
3-2-1 温度により磁極が2回反転する磁性体(二重補償点)
3-2-2 化学的刺激応答型ポーラス強磁性錯体の創製
3-2-3 光による磁性制御
3-2-4 強誘電-強磁性特性
3-3 無限錯体によるガス吸着
3-3-1 孔が開いた構造を持つ結晶性の無限錯体(多孔性配位高分子)
3-3-2 多孔性配位高分子の設計と合成方法
3-3-3 物理吸着による多孔性配位高分子のガス吸着
3-3-4 相互作用点を持つ多孔性配位高分子の吸着特性
3-3-5 ガス吸着により結晶構造が変化する多孔性配位高分子
3-3-9 おわりに
3-4 一次元高分子錯体の自己集積
3-4-1 無限錯体とソフトナノマテリアル化学
3-4-2 擬一次元白金混合原子価錯体の固体科学
3-4-3 一次元高分子錯体への両親媒性の付与
(脂溶性一次元金属錯体の設計と特性)
3-4-4 一次元高分子錯体の溶液ならびに固体表面における自己集積
3-4-5 ソフトマテリアルとしての一次元高分子錯体
3-4-6 スピンクロスオーバーを示す一次元高分子錯体
3-4-7 今後の展望
3-5 細孔性ポリオキソメタレート集積体
3-5-1 ポリオキソメタレートとは
3-5-2 結晶格子中に細孔を有するポリオキソメタレート集積体
3-5-3 結晶子・結晶粒子の間隙に細孔を有する
ポリオキソメタレート集積体
3-5-4 ポリオキソメタレート分子内に細孔構造を有する集積体
3-6 無限錯体内での結晶相ゲスト交換
3-6-1 細孔性ネットワーク錯体
3-6-2 その場観察X線構造解析
3-6-3 ネットワーク錯体の単結晶から単結晶への交換
3-6-4 おわりに
4章 表面における超分子金属錯体の自己集積
4-1 表面での機能設計
4-4-1 表面という二次元場
4-4-2 表面への分子の固定化法
4-1-3 基板表面での機能性分子の集積化による分子デバイス機能
4-1-4 表面での多積層膜の構築とその機能
4-1-5 表面機能での新しい動き
4-2 表面での触媒設計
4-2-1 固体触媒表面での触媒設計
4-2-2 ゼオライトの三次元細孔空間を利用して作られた
新型Reクラスター触媒
4-2-3 表面モレキュラーインプリンティング触媒
4-2-4 亜リン酸トリメチル配位子をテンプレート配位子とした
表面モレキュラーインプリティングRhモノマー触媒
4-2-5 モレキュラーインプリティングRhダイマー触媒による
アルケン水素化反応の形状選択性制御
4-2-6 今後の発展
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