分子認識化学
                
                
                    
                
                
                
                    
                                                978-4-7827-0359-5
                        C3043
                                            
                                    
                
                
                    築部 浩 編著
                    元大阪市立大学教授 築部 浩 編著 大阪大学教授 井上佳久・千葉大学名誉教授 上松敬禧・千葉大学教授 小倉克之 九州大学准教授 片山佳樹・琉球大学機能材料研究所 喜納兼勇 高知工科大学准教授 小廣和哉・千葉大学准教授 島津省吾・九州大学准教授 谷 文都 九州大学教授 成田吉徳・大阪大学教授 原田 明・東京大学教授 藤田 誠 大阪大学教授 宮田幹二・大阪大学准教授 和田健彦 共著
                
                
                
                
                    B5・並製・232頁/
                    定価
                    4,180円(
                    本体
                    3,800円)
                                    
                
                
                    低分子から高分子・超分子までの全体像を把握し,代表的な分子認識系の特徴を述べている。さらに,興味深い応用例を取り上げ,その豊かな将来性を紹介する。天然超分子の理解を深め人工超分子を新たに設計・構築するのに不可欠な認識機能分子の化学を解説。
                
                
                
                
                                                                                                
                    
                                                
                            目 次
                        
                                                
                                                                        
                            
                            第1章 分子認識と超分子
 1.1 分子認識化学のめざすもの
 1.2 生体膜でのイオン認識と認識機能分子
 1.3 タンパク分子系での分子認識と認識機能分子
 1.4 超分子化学のめざすもの
 1.5 おわりに 
第2章 分子認識のしくみ
 2.1 多様なホスト・ゲスト系
 2.2 分子認識に関わる力
  2.2.1 静電相互作用
  2.2.2 イオン-双極子相互作用
  2.2.3 双極子-双極子相互作用
  2.2.4 双極子-誘起双極子相互作用
  2.2.5 水素結合
  2.2.6 van der Waals相互作用
  2.2.7 疎水相互作用
  2.2.8 π-π相互作用
 2.3 分子認識における協同効果
 2.4 アロステリック効果
 2.5 分子認識の熱力学
 2.6 準熱力学的関係としてのエンタルピー・エントロピー補償則
 2.7 化学と生物における分子認識の統一的理解
  2.7.1 イオノフォア
  2.7.2 分子包接系への適用
  2.7.3 生物による分子認識への展開
 2.8 適用の限界
 2.9 まとめ 
第3章 有機ホスト分子による分子認識
 3.1 金属イオンを認識する有機ホスト分子
  3.1.1 クラウンエーテル
  3.1.2 スフェランド
  3.1.3 カリックス[n]アレーン
 3.2 有機分子を認識する有機ホスト分子
  3.2.1 クラウンエーテルによるアミンおよびアミノ酸の認識
  3.2.2 サイズフィットにより有機分子を認識する有機ホスト分子
 3.3 多重認識を行う有機ホスト分子
  3.3.1 アミノ酸を認識する有機ホスト分子
  3.3.2 ペプチドを認識する有機ホスト分子
  3.3.3 核酸塩基を認識する有機ホスト分子
  3.3.4 糖を認識する有機ホスト分子
 3.4 酵素機能をまねる有機ホスト分子
  3.4.1 クラウンエーテル誘導体を用いるペプチド合成
  3.4.2 シクロデキストリンによるトランスアミラーゼモデル
  3.4.3 シクロデキストリン不斉空間内での光化学反応による不斉誘導
 3.5  自己複製する分子(人工生命へのアプローチ) 
第4章 有機固体系での分子認識
 4.1 はじめに:宇宙の歴史に学ぶ
 4.2 物質の階層構造と認識
 4.3 入れ物に基づく分子認識
  4.3.1 分子認識の種類と入れ物
  4.3.2 分子レベルの入れ物の役割と特徴
  4.3.3 入れ物内部の分子レベル空間とその効果
  4.3.4 分子レベルの入れ物の作り方
 4.4 有機固体系―多分子系包接化合物での分子認識
  4.4.1 集団として入れ物をつくる有機固体系ホスト
  4.4.2 入れ物への選択的包接に基づく分子認識
  4.4.3 ホストとゲストの動的構造
  4.4.4 分子レベル空間での有機ゲストの反応
 4.5 胆汁酸ステロイドの包接結晶での分子認識
  4.5.1 胆汁酸ステロイドの分子構造
  4.5.2 胆汁酸ステロイドの分子集合様式
  4.5.3 胆汁酸ステロイドの多様な水素結合様式と包接現象
  4.5.4 有機物の包接能の一般性
  4.5.5 ステロイド結晶とタンパク質との類似性
 4.6 炭素錯の定序性情報に基づく分子認識の制御
  4.6.1 定序性と分子情報
  4.6.2 分子情報の表現
  4.6.3 分子情報とその表現に関する一般原理
 4.7 おわりに:研究と思想の展開 
第5章 無機化合物による分子認識
 5.1 はじめに
 5.2 無機系ホストの特徴と分類
 5.3 ミクロポーラスクリスタル:ゼオライト
  5.3.1 ゼオライトの歴史
  5.3.2 ミクロポーラスクリスタルの構造と分類
  5.3.3 ミクロポア構造による分子ふるい効果
  5.3.4 触媒反応における分子認識
  5.3.5 擬官能基認識水素化
  5.3.6 エナンチオ識別水素化反応
 5.4 新しいミクロポーラスクリスタル
 5.5 架橋粘度鉱物
  5.5.1 酸化物架橋粘度鉱物による固体酸触媒
  5.5.2 層間金属超微粒子による鎖長選択水素化
 5.6 カチオン交換型層状ケイ酸塩
  5.6.1 粘度鉱物の結晶構造
  5.6.2 極性有機分子および水分子のインターカレーション
  5.6.3 金属錯体のインターカレーションと配向性
  5.6.4 層空間でのゲスト分子の自由度
  5.6.5 層状粘度鉱物による分子認識
  5.6.6 粘度鉱物層間を利用した分子認識触媒
 5.7 層状リン酸塩
  5.7.1 層状リン酸塩の結晶構造
  5.7.2 リン酸塩による分子認識
 5.8 アニオン交換型層状化合物
 5.9 新しい無機ホスト化合物の合成 
第6章 高分子系での分子認識
 6.1 分子認識から高分子認識へ
 6.2 生体系における高分子認識
  6.2.1 核 酸
  6.2.2 酵 素
  6.2.3 抗 体
 6.3 生体系における分子集合体(超分子)
  6.3.1 ヘモグロビン
  6.3.2 脂肪酸合成酵素系
  6.3.3 構造タンパク質
  6.3.4 ウィルス,ファージ
  6.3.5 微小管
  6.3.6 ベン毛,繊毛
  6.3.7 筋 肉
  6.3.8 生体膜
  6.3.9 光合成系
 6.4 合成高分子系での分子認識
  6.4.1 ポリイオンコンプレックス
  6.4.2 水素結合による錯体形成
  6.4.3 ステレオコンプレックス
 6.5 シクロデキストリンによる高分子認識
  6.5.1 シクロデキストリンとポリマーとの錯体形成
 6.6 超分子構造形成を利用した高分子の合成
  6.6.1 シクロデキストリンを含むポリロタクサンの合成:分子ネックレス
  6.6.2 シクロデキストリンによる分子チューブの合成
 6.7 まとめ 
第7章 分子認識の応用
 7.1 分子認識を応用したセンシング
  7.1.1 はじめに
  7.1.2 細胞内にカルシウムイオンの蛍光プローブ
  7.1.3 多点認識によるピロリン酸蛍光プローブ
  7.1.4 蛍光標識による巨大分子の分子認識を利用したセンシング
 7.2 分子認識を活用した反応制御
  7.2.1 クラウンエーテル,クリプタンドを用いる反応制御
  7.2.2 包接性ホスト分子による反応制御
  7.2.3 ヘム含有酵素モデル
  7.2.4 人工制限酵素
  7.2.5 触媒抗体
 7.3 超分子自己集合
  7.3.1 はじめに
  7.3.2 らせん超分子の自己集合
  7.3.3 大環状超分子の自己集合
  7.3.4 カテナン,ロタクサン構造の超分子
  7.3.5 三次元空孔を持つ超分子の自己集合
  7.3.6 おわりに