化学熱力学の基礎
978-4-7827-0330-4 C3043
/1995年9月刊行
北海道大学名誉教授 中村義男 著
A5・並製・174頁/定価 2,310円(本体2,100円)
はじめて化学熱力学を習う学生にとって,化学熱力学は出てくる式が多く,解かされる問題も日常生活とはかけ離れたものもあり,抽象的な世界の話と思ってしまうことが多い。本書はこのような初学者の傾向を考慮して,熱力学の基本的な考え方と,その化学への応用の道筋をよく理解できるようにわかりやすく記述した。随所に例題をとり入れてあり,それを解くことで理解が深められるように構成した。
目次
1 熱力学第1法則
1-1 熱とエネルギー
1-2 熱力学的な系
1-3 熱平衡と温度,熱力学第0法則
1-4 熱容量と比熱
1-5 状態方程式
1-6 仕 事
1-7 熱力学第1法則
1-8 理想気体の熱力学
(a)準静的等圧,等積,等温変化
(b)準静的断熱変化
1-9 開いた系に対する熱力学第1法則
1-10 内部エネルギーの分子論的解釈
2 エントロピーの定義
2-1 状態量と完全微分
2-2 カルノー・サイクル
(a)クラウジウスの式
(b)カルノー・サイクルの効率
2-3 エントロピーの定義
2-4 熱力学第1法則とエントロピーの定義
2-5 熱力学第3法則―エントロピーの絶対値
3 エントロピーと熱力学第2法則
3-1 いろいろな系のエントロピー変化
(a)理想気体のエントロピー
(b)ゴムバンドのエントロピー
(c)常磁性物質のエントロピー
3-2 不可逆過程のエントロピー変化
(a)温度の異なる物質の混合
(b)種類の異なる物質の混合
(c)理想気体の断熱自由膨張
3-3 熱力学第2法則
3-4 エントロピーの移動と生成
3-5 エントロピーの分子論的解釈
4 熱力学関数
4-1 変数の変換―新しい熱力学関数
4-2 新しい熱力学関数の意味
(a)エンタルピー
(b)自由エネルギー
4-3 エネルギーとエントロピー
4-4 熱力学関数の1次偏微分係数
(a)1次偏微分係数
(b)マックスウェルの関係式
(c)変数の入替え
(d)ギブズ・ヘルムホルツの式
4-5 オイラーの関係式
4-6 部分モル量
5 化学ポテンシャルと相平衡
5-1 化学ポテンシャル
5-2 相の間の平衡条件
5-3 純物質の相平衡
5-4 純物質と混合(溶液)系の化学ポテンシャル
(a)気体の化学ポテンシャル
(b)液体,固体の化学ポテンシャル
6 溶液の熱力学
6-1 溶体と溶液
6-2 凝固点降下と沸点上昇
6-3 溶液とその蒸気との平衡
6-4 浸透圧―化学ポテンシャルの圧力による変化
6-5 溶液の2相分離
7 化学平衡の熱力学
7-1 化学平衡とギブズ自由エネルギー
7-2 化学反応のエントロピーとエンタルピー
7-3 化学反応の平衡定数
(a)気相均一系の平衡
(b)気相―固相不均一系の平衡
(c)均一溶液系の平衡
7-4 平衡定数の温度変化
7-5 電池の起電力と自由エネルギー
(a)ダニエル電池
(b)標準電極電位
(c)ガルバニ電池
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