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金属錯体の機器分析 (上)

錯体化学会選書7
978-4-7827-0639-8 C3043 /2010年10月刊行
大塩寛紀 編著
筑波大学教授 大塩寛紀 [編著]
九州大学名誉教授 石黒慎一・東京工業大学准教授 尾関智二 大阪大学特任教授 海崎純男・鹿児島大学准教授 神崎 亮 筑波大学教授 齋藤一弥・東京大学特任助教 坂本良太 大阪市立大学准教授 寺岡淳二・東京大学教授 西原 寛 [共著]
A5・上製・298頁/定価 4,620円(本体4,200円)
本書では単に測定法の解説にとどまらず, 測定データを正しく解釈し必要な情報を取り出せるよう, 測定法の原理とそれを理解するための基礎理論までわかりやすく解説。ほぼ全ての分析機器を網羅しており, 錯体化学をこれから学ぼうとする大学院生や研究者に最適である。

内 容

  • 配位子場理論の基礎
  • 電子スペクトルと円二色性および磁気円二色性
  • 酸解離定数, 生成定数, 錯形成反応の熱力学パラメータの決定法
  • 電気化学
  • 熱測定
  • 単結晶X線構造解析
  • 赤外・ラマンスペクトル
目次

1章 配位子場理論の基礎
 1-1 配位子場理論誕生の歴史
 1-2 群論の要点
 1-3 軌道エネルギー
 1-4 結晶場分裂
 1-5 高スピン型錯体のオーゲルダイヤグラム
  1-5-1 弱い場の取り扱い
  1-5-2 強い場の取り扱い
 1-6 田辺・菅野ダイヤグラム
 1-7 低対称場の配位子場パラメーター
 1-8 角重なりモデル (Angular Overlap Model: AOM)

2章 電子スペクトルと円二色性および磁気円二色性
 はじめに
 2-1 電子スペクトル
  2-1-1 測定実験
  2-1-2 配位子場d-d遷移スペクトル
  2-1-3 配位子と中心金属による配位子場遷移スペクトルの変化
  2-1-4 配位子場d-d遷移スペクトルと錯体の立体構造
  2-1-5 ランタニド錯体の4f-4f遷移
  2-1-6 配位子場遷移以外の電子遷移
  2-1-7 吸収強度と遷移の選択則
  2-1-8 吸収帯のバンド幅
  2-1-9 クロモトロピズ
 2-2 円二色性 (Circular Dichroism: CD)
  2-2-1 配位子場d-d遷移の円二色性
  2-2-2 配位子内遷移による励起子円二色性
  2-2-3 円偏光ルミネッセンス (Circular Polarized Luminescence: CPL)
  2-2-4 磁気円二色性 (Magnetic Circular Dichroism: MCD)

3章 酸解離定数, 生成定数, 錯形成反応の熱力学パラメータの決定法
 はじめに
 3-1 溶液内平衡
  3-1-1 配位子の酸解離定数
  3-1-2 金属錯体の生成定数
  3-1-3 溶媒和と溶媒効果
  3-1-4 マスバランス式
 3-2 平衡定数の決定
  3-2-1 電位差滴定法による酸解離定数の決定
  3-2-2 電位差滴定法による金属錯体の生成定数の決定
  3-2-3 分光光度法による金属錯体の生成定数の決定
  3-2-4 その他の方法
 3-3 錯形成反応の熱力学的パラメータ
  3-3-1 Gibbsエネルギー
  3-3-2 支持電解質とイオン強度
  3-3-3 エンタルピーとエントロピー
  3-3-4 反応速度定数

4章 電気化学
 はじめに
 4-1 ネルンスト式
 4-2 電解質溶液
  4-2-1 溶媒
  4-2-2 支持電解質
 4-3 電極
  4-3-1 作用電極
  4-3-2 参照電極
  4-3-3 対極
  4-3-4 電極の配置
 4-4 電気二重層
 4-5 電位窓
 4-6 機器
 4-7 電荷移動律速と拡散律速
  4-7-1 電荷移動律速
  4-7-2 拡散律速 (物質移動律速)
  4-7-3 物質移動を考慮に入れた電位-電流曲線
  4-7-4 可逆系, 準可逆系, 非可逆系
 4-8 測定法
  4-8-1 クロノアンペロメトリー (電位ステップ法)
  4-8-2 クロノクーロメトリー
  4-8-3 回転ディスク電極を用いた測定
  4-8-4 ターフェルプロット
  4-8-5 パルスボルタンメトリー
  4-8-6 サイクリックボルタンメトリー
  4-8-7 バルク電解法
  4-8-8 電解紫外可視近赤外分光法
  4-8-9 表面修飾電極を用いた測定

5章 熱測定
 はじめに
 5-1 熱分析
  5-1-1 熱分析概説
  5-1-2 示差熱分析と示差走査熱量測定
  5-1-3 熱重量測定
 5-2 熱容量測定
  5-2-1 熱容量と他の熱力学量
  5-2-2 固体熱容量概観
  5-2-3 熱容量測定法
  5-2-4 正常熱容量 (ベースライン) の取り扱い
  5-2-5 エントロピーの解析
  5-2-6 磁気熱容量
  5-2-7 ガラス転移について

6章 単結晶X線構造解析
 はじめに
 6-1 結晶の対称性
  6-1-1 結晶とは何か
  6-1-2 結晶格子
  6-1-3 対称性, 対称操作と対称要素
  6-1-4 対称操作の分類
  6-1-5 結晶中にみられる対称操作
  6-1-6 結晶点群
  6-1-7 空間群
  6-1-8 空間群の分類: 結晶点群, Laue対称と晶系
  6-1-9 反転中心を持たない点群および空間群
  6-1-10 Bravais格子
 6-2 空間群の記号
  6-2-1 三斜晶系 (triclinic)
  6-2-2 単斜晶系 (monoclinic)
  6-2-3 斜方晶系 (orthorhombic)
  6-2-4 正方晶系 (tetragonal)
  6-2-5 三方晶系 (trigonal)
  6-2-6 六方晶系 (hexagonal)
  6-2-7 立方晶系 (cubic)
  6-2-8 International Tables
 6-3 結晶によるX線の回折
  6-3-1 原子散乱因子
  6-3-2 X線回折パターンを決めるもの
  6-3-3 Braggの条件, 面指数と反射の指数
  6-3-4 回折パターンのLaue対称性とFriedel則
  6-3-5 異常散乱と絶対構造の決定, Flackのパラメータ
 6-4 回折データの収集: 二次元検出器を前提に
  6-4-1 波長の選択
  6-4-2 測定温度の選択
  6-4-3 目視による結晶の選択
  6-4-4 結晶のマウントとセンタリング
  6-4-5 回折パターンの確認
  6-4-6 格子定数の決定
  6-4-7 測定領域の決定とデータの測定
  6-4-8 積分と各種補正
  6-4-9 対称性の決定
 6-5 構造モデルの決定と精密化
  6-5-1 初期位相の決定
  6-5-2 直接法の結果の解釈
  6-5-3 ディスオーダー
  6-5-4 最小2乗法
  6-5-5 収束の判定
 6-6 結果の解釈と評価
  6-6-1 分子の構造
  6-6-2 解析精度の評価
  6-6-3 決定された絶対構造の確からしさ
  6-6-4 温度因子
  6-6-5 データベースとの比較
  6-6-6 CIF
 6-7 おわりに

7章 赤外・ラマンスペクトル
 はじめに
 7-1 光と分子の相互作用
 7-2 分子振動
  7-2-1 2原子分子の振動
  7-2-2 3原子分子の振動
  7-2-3 分子振動の量子論
 7-3 分子の対称性
  7-3-1 点群C2vC3v
  7-3-2 点群D∞h
  7-3-3 赤外・ラマンの選択律
 7-4 共鳴ラマンスペクトル
  7-4-1 選択的なラマン強度増強
  7-4-2 共鳴する発色団のすべての振動が強くなるか
  7-4-3 ポルフィリン錯体
 7-5 à la carte
  7-5-1 同位体シフト
  7-5-2 非調和性とフェルミ共鳴
  7-5-3 飽和ラマン分光
  7-5-4 逆供与
  7-5-5 振動円偏光二色性 (Vibrational Circular Dichroism)

備 考

図書館などの学術機関向けサービス「Maruzen eBook Library (MeL)」に電子書籍がございます。機関のご担当者様は Knowledge Worker よりご購入が可能です。

CDのの販売も行っております。ご購入につきましてはこちらをご覧ください。
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更新: 2022年11月22日
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