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1からはじめる量子化学

978-4-7827-0468-4 C3043
上田豊甫
明星大学教授 上田 豊甫 著
B5・並製・188頁/定価 2,970円(本体2,700円)
難解な分野である量子化学を初学者にとっても使いやすい教科書を念頭に編集した。基礎からできるだけやさしく,わかりやすくすることに重点を置き,著者独自の方法を用いるなど,より簡単に本質を理解できる方法を選び解説した。例題を豊富に掲載し,各章ごとに問題と詳しい解答を付記。
目次

第1編 量子力学と量子化学の萌芽
 1章 ミクロの世界
   ?. 原子は原子核1個と原子番号個の電子からなる
   ?. クォークとレプトン

 2章 水素原子の輝線スペクトル
  2-1 バルマーの数あわせ
  2-2 物質波
   ?. ド・ブロイの関係式
   ?. 電子波が消滅しない条件
  2-3 ボーアの前期量子論
   ?. 等速円運動の量子化
   ?. 全エネルギーの量子化
   ?. 原子単位での算出
   ?. 遷移波長の式

 3章 周期表
  3-1 原子の特徴付け
  3-2 ほんとはどれだけ?有効核電荷
   ?. 4つの量子数と原子の構成原理
   ?. 軌道エネルギーの高低
   ?. 遮蔽定数の算出と有効核電荷
   ?. イオン化ポテンシャルと電子親和力の周期性
  3-3 魅力の秘密?電気陰性度
   ?. マリケンの解釈
   ?.ポーリングの提唱
  3-4 あなたはだあれ?典型元素
   ?. 電子配置と周期表
   ?. s電子元素
   ?. p電子元素
  3-5 仲間を大切に?遷移元素

第2編 原子の量子力学
 4章 極座標表示?ぐるぐる回るとき
  4-1 2つの座標変換が基本
   ?. 直交座標と極座標の関係
  4-2 運動エネルギーの演算子
   ?. 光量子説とド・ブロイの式を使って変形する
   ?. 運動量演算子は波動関数を微分してみるとわかる
  4-3 ラプラシアンの極座標表示

 5章 波動方程式
  5-1 運動量とエネルギーの演算子
  5-2 シュレーディンガー方程式
  5-3 量子力学の約束事
   ?. 運動量などの演算子
   ?. シュレーディンガー方程式
   ?. 規格化条件
   ?. 直交性
   ?. 期待値

 6章 水素原子の波動関数
  6-1 波動方程式の簡単な表現
  6-2 ラプラシアン△に潜む角運動量
   ?. 回転運動の激しさを示す角運動量
   ?. 交換関係と可換・不可換
   ?. 角運動量の大きさ
   ?. (15)式の導出
   ?. Hとl 2とlzは可換
   ?. 角運動量の上昇・下降演算子
   ?. 角運動には上限・下限があるはず
  6-3 θ依存性
   ?. θの方程式・ルジャンドル陪関数
   ?. 帰納法による解
   ?. ルジャンドル陪関数のまとめ
  6-4 動径部分(r)の方程式
   ?. ラゲール陪関数なんて聞いたことがない
   ?. 極限状態を考えて見通しを立てるr~0
   ?. 無限遠でのふるまい
   ?. 予想形の中の未知の多項式F(x)
   ?. いよいよ具体的に解く
   ?. ラゲール陪関数のまとめ
  6-5 水素原子の波動関数一覧

 7章 電子のスピン
  7-1 トンネル照明の黄燈がダイアナ妃を狂わせた?
  7-2 ヘリウム原子における電子の反対称波動関数
  7-3 角運動の結びつき方
  7-4 磁石のナゾ
   ?. 反磁性体・常磁性体と強磁性体
   ?. 強磁性体の条件

第3編 分子の量子化学
 8章 もっとも単純な分子軌道法
  8-1 変分原理?理想と現実
  8-2 永年方程式?夢の実現
  8-3 理想の具象化?一番単純なヒュッケル分子軌道(HMO)法
   ?. 一電子ハミルトニアン
   ?. SHMO法

 9章 共役分子の量子化学
  9-1 エチレン
  9-2 直錯状ポリエン
   ?. π電子の連立一次方程式の特徴と端末条件
   ?. 疑似周期と見なして解く
   ?. ブタジェンのπ結合次数とπ電荷密度
   ?. 錯状ポリエンのHOMO-LUMO遷移
  9-3 環状ポリエン
   ?. 周期性と解
   ?. ベンゼンのπ電子エネルギーと固有関数

 10章 軌道間相互作用
  10-1 分子軌道の素性
   ?. クローン積分αと共鳴積分β
   ?. 相互作用する2つの軌道の永年方程式とそのふるまい
   ?. 結合性軌道と反結合性軌道の性質
  10-2 新生軌道と旧軌道
  10-3 直線型分子の軌道対称性
  10-4 異核二原子分子
  10-5 等核二原子分子
  10-6 直線状三中心二電子結合
   ?. 構成原子の軌道のエネルギーと特性から分子軌道を予想する
   ?. 不活性元素Xeの作る分子XeF2
   ?. PCl5とClF3
   ?. 水素結合も三中心二電子結合
  10-8 湾曲型三中心二電子結合

 11章 芳香族性?なぜ安定なの?
  11-1 芳香族性理論の生まれるまで
   ?. 電気陰性度は根拠があやふやだけど役に立つ
   ?. 芳香族化合物とは
   ?. 環状共役化合物の安定性
   ?. ポーリングの共鳴エネルギー
   ?. デュワーの共鳴エネルギー
   ?. ヘスとシャドーの共鳴エネルギー
  11-2 グラフ理論を用いた芳香族性理論
   ?. 環状ポリエンの特性多項式とマッチング多項式の違い
   ?. ベンゼンのグラフ理論
   ?. トポロジー的共鳴エネルギーTREと%TRE
  11-3 新たな挑戦

 12章 錯体の量子化学
  12-1 金属錯体とは
  12-2 原子価結合法と軌道混成
   ?. 高スピン錯体:外軌道錯体のふるまい
   ?. 低スピン錯体:内軌道錯体のふるまい
  12-3 結晶場理論
   ?. 結晶場分裂は中心金属と配位子群の電子反発の強さによる
   ?. 結晶場分裂Δの大きさと分光化学系列
   ?. 結晶場安定化エネルギーと水和熱
  12-4 分子軌道法

第4編 量子化学の計算
 13章 ハートリー・フォック法
  13-1 ガウシアンプログラム;ハートリー・フォック法
   ?. スピン軌道はスレーター行列式で表される
   ?. ハートリー・フォック微分方程式の逐次解放とエネルギー期待値
   ?. つじつまの合う場の方法(SCF法)
  13-2 分子軌道の基底関数セットとZ座標表示
  13-3 振動スペクトルへの応用
   ?. ラマン散乱と赤外吸収
   ?. 関連遷移の特徴とスペクトル予測

 14章 最新流行?密度汎関数法
  14-1 密度汎関数法とはなーに?
  14-2 ホーヘンベルグ・コーンの定理とコーン・シャム方程式
   ?. 密度汎関数理論
   ?. コーン・シャム方程式の逐次解放
   ?. 交換?相関エネルギーの評価
  14-3 密度汎関数法による振動スペクトルの計算

 15章 反応路解析?WinMOPACで反応解析に挑戦
  15-1 計算化学シミュレーション
  15-2 反応出発構造の推定
  15-3 反応座標の計算
  15-4 絶対反応速度論の速度定数の算出

備 考

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更新: 2024年3月29日
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